介護福祉士会、資格取得方法の変更延期に危機感

2014年0303 福祉新聞編集部
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20周年式典で宣言文を読み上げた(中央が石橋会長)

 日本介護福祉士会は2月22日、都内で創立20周年記念式典を開いた。介護福祉士の資格取得方法の変更を1年延期する法案が国会に提出されたこと を受け、延期に反対する決起集会となった。石橋真二・同会長、各都道府県介護福祉士会の会長ら約300人の参加者は、「日本の介護を守っていくことを誓 う」などとする宣言文を読み上げた。

 

20周年式典が決起集会に

 

 同会は資格取得方法の変更が「1年延期」ではなく、1年検討した結果「取りやめ」になることを警戒している。取りやめになれば、介護福祉士だけでなく介護職員全体の処遇改善(賃上げ)が遠のくことになりかねないからだ。

 

 政府の社会保障と税の一体改革は、消費税の引き上げ分を財源に介護職員の処遇改善を図ることとしている。その前提となるのが介護職員の質の向上であり、介護福祉士の資格取得方法の変更(資格取得のハードルを上げる)だ。

 

 同会は、質を上げる取り組みが滞れば処遇改善も滞り、人材はさらに集まらなくなるという危機感を抱く。人材不足をボランティアや外国人などで補おうという論調が政府内で強まっていることにも不安を募らせる。

 

 同会は予定通り資格取得方法を2015年度から変更するよう呼び掛ける方針だ。

 

  同日のシンポジウムでは石橋会長のほか、全国老人福祉施設協議会、全国老人保健施設協会、日本介護福祉士養成施設協会の役員らが登壇。また、武内和久・厚 生労働省社会・援護局福祉人材確保対策室長は基調講演で、一連の経過と今後の展望を語った。基調講演の要旨は次の通り。

「苦渋の決断だった」

 

武内和久・厚生労働省社会・援護局福祉人材確保対策室長
武内和久・厚生労働省社会・援護局福祉人材確保対策室長

 

 介護福祉士の資格取得方法の延期は青天のへきれきであり、苦渋の決断であった。「介護人材が足りない。資格取得方法を変更することはプラスにならない」という声が強かった。私はそれとこれとは別だと説明したが、「まずは量の確保を」ということだった。

 

 厚労省の軸がぶれているという見方は甘んじて受けるが、次のステップを良い形にもっていきたい。今年はかなり重要な年になる。

 

 介護福祉士にしかできないことがあるかどうかが論点になる。介護福祉士の専門性を言語化・見える化し、能動的に発信してほしい。介護のイメージアップも厚労省が音頭をとってやっていきたい。

 

ことば:介護福祉士の資格取得方法

  介護福祉士を取得するには①3年以上の実務経験を経て国家試験を受けて合格する②介護福祉士養成施設を卒業するーーがある。2007年の法改正により12 年度から①実務経験3年以上に加えて新たな研修の修了を国試の受験要件とする②養成施設の卒業生にも国試を課すーーこととされた。しかし、再度の法改正に より3年延期され、15年度からとなった。今年2月、これを再延期して16年度からとする法案が国会に提出された。人材不足を理由に介護事業者側が要請し た。法案は人材確保対策を検討するよう規定している。

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