【機器導入物語⑥】機器への投資は高くない

2014年0428 福祉新聞編集部
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居室に設置される据え置き式リフト

 「これまでの経験と実績があるから2000万円掛けても大丈夫だと思った」。40台のリフト導入を決めた特別養護老人ホーム「ひのでホーム」の齋藤郁子施設長は、リフトと職員に対する信頼感があるからこそゴーサインを出せたと語った。

 

 ひのでホームを運営する芳洋会の平均年間収入は約12億円で収益率は3%余り。2012年度に練馬区に定員50人の特養ホームを新設したばかりで、2000万円は簡単に出せる額ではなかった。決断したのは05年度にリフトを居室に5台、浴室に2台導入した後、事故や職員の腰痛がなくなったからだ。

 

 2000万円のうち300万円は厚生労働省の助成金を予定。助成要件が事業費の2分の1のため1年目の予算を600万円とし、残る1400万円を4年割賦で支払うことにした。付き合いのある三菱UFJリースに相談し、1年目に月約50万円、2~5年目に月約29万円支払う契約を結ぶ計画を立てた。

 

 しかし、助成金は13年度から中小企業が冠の制度に変更され、職員が100人以上の芳洋会は申請できないことが分かった。それでも齋藤施設長は「宣言した以上はやるだけ」と覚悟を決め、11月14日の理事会に臨んだ。

 

 理事会では「抱え上げていたら職員の体が持たない」など6人の理事全員が賛成。当初の事業計画になかった補正予算が承認された。

 

 「2000万円は施設長が『やる』と言わないと出せない金額。1年で無理でも400万円を5年間出すことはできると判断した。400万円は若手職員の1年分の給与。それで24時間365日安全・安楽なケアができるなら決して高くはない」と齋藤施設長は笑顔を見せた。(了)

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