「放っておけない」子どもの貧困 学生ら独自の大綱案

2014年0526 福祉新聞編集部
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集会後に東京・渋谷周辺をパレードし、訴えた

 「みんなで考えるべき、社会問題だ」。

 

 6人に1人の子どもが貧困状態にある日本の現状を放っておけないと、貧困家庭で育った学生らが17日、都内で集会を開き、約250人が参加した。生まれてから就職するまで、格差なく暮らすための支援策を盛り込んだ「ユースミーティング版大綱案」を作り、駆けつけた下村博文・文部科学大臣に伝えた。

 

 2013年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が議員立法で成立した。具体的な支援策は政府が7月に策定する大綱に定められる。

 

 学生らは大綱案に、

 

  • 子どもの貧困の実態の見える化
  • 子どもの貧困対策室(内閣府)の設置
  • 就学援助の充実
  • 子どもの貧困対策基金の設立
  • 日本学生支援機構奨学金をすべて無利子に
  • 児童養護施設などの子どもへのさらなる支援

 

などを盛り込んだ。

 

 主催は、あしなが育英会の奨学生や子どもを支援する団体で作る「STOP! 子どもの貧困ユースミーティング実行委員会」。集会の後、子どもの貧困を広く考えてもらおうと東京・渋谷周辺をパレードした。今後も日本各地で集会を計画している。

 

集会で「ゆりかごから就職まで、切れ目ない支援を」と訴える髙橋遼平・実行委員長(中央)

集会で「ゆりかごから就職まで、切れ目ない支援を」と訴える髙橋遼平・実行委員長(中央)

 

 集会では国会議員の前で当事者が体験を発表した。

 

 児童養護施設で育ち、現在は大学に通いながら社会的養護の当事者を支援する「日向ぼっこ」の職員、安田和喜さんは「18歳で自立しなければならない現実に悩んだ。児童養護関係の仕事をするため、大学に行きたいと思っていたが、学費や生活費はどうするのか、不安を抱えながら施設生活を送っていた」と振り返った。

 

 1歳で父親を亡くした高校2年生の小川和泉さんは「将来は福祉関係の仕事に就きたいという夢がある。先生や母から向いていると言われ、とてもうれしかった。大学に進学して資格を取りたいが、母の収入では難しい。子どもがやりたいことを諦めたり、お金のことで悩んだりせずに進学できる環境を作って」と訴えた。

 

 下村大臣は「みなさんの活動に報いるよう努力する」と話した。

 

 

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