内部留保「過剰」は3割
厚労省特養を新定義で分析

2013年0527 福祉新聞編集部
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厚生労働省

 厚生労働省は21日、特別養護老人ホームの内部留保に関連し、基本財産の維持に必要な額を超えてためている施設が3割、下回る施設が5割だとする調査結果を明らかにした。内部留保の新定義を採用して分析し、特養ホーム全体がため過ぎている訳ではないことを示した。

 
 厚労省は2012年9月から12月にかけて特養ホーム2518施設から回答を得た調査の結果を、同日の社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(委員長=田中滋・慶應義塾大教授)に報告した。

 

 調査の特徴は、内部留保の定義を「未使用状態で留保されている現預金(減価償却費を含む)」とし、従来の計算方法と変えた点だ。厚労省は「実在内部留保」と称している。

 

 この新定義によって1662施設を分析したところ、1施設当たりの平均内部留保は1億6000万円。一方、11年12月に厚労省が公表したものとほぼ同じ定義で計算すると3億1000万円で、大きな開きがある。

 

 厚労省は新定義による個別の施設ごとの内部留保を、その施設の建設費などから算出した「必要内部留保額」(基本財産を維持する上で必要な利益がベース)と比べて多いか少ないかを判定した。

 

 判定対象の883施設のうち、「内部留保が多い」とされたのは290施設(33%)。「少ない」とされたのは464施設(53%)。

 

 「多い」とされた施設では、収支差率(収入に対する利益の割合)や入所者の平均要介護度が高いこと、「内部留保の多い・少ない」と「低所得者の利用者負担軽減制度の実施・未実施」との関係が見られないことも分かった。

 

 特養ホームの内部留保をめぐっては、ため込み過ぎとの批判があり、特養ホームの関係者の間では、社会福祉法人の税制優遇の見直しや介護報酬の引き下げを懸念する声もある。

 

 調査結果について厚労省は「現在考えられる合理的な前提を置いた試算から得られた結論だが、今回の調査結果のみで一概に多寡を判断できるものではない」とした。

 

 その上で、特養ホームの今後の課題として①財務諸表の公開やガバナンス(統治)の強化②低所得者の利用者負担軽減制度などの地域貢献−を挙げた。

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