厚労省、相談の手引き公表
生活困窮者支援で

2013年0812 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は2日、生活保護に至る前の生活困窮者の支援に関連し、新たな相談支援事業の手引きを公表した。生活困窮者自立支援法案は今年の通常国会で廃案となったが、2015年4月1日施行に向けて今秋の臨時国会に再提出する方針。法案の国会審議と並行して69の自治体でモデル事業を進める。

 

69自治体でモデル事業

 モデル事業を行う自治体の担当者を集めた同日の会議で、岡田太造・社会・援護局長は「モデル事業の狙いは運営上の課題を把握すること、この事業に対する国民の理解を得ること。この事業は生活困窮者支援にとどまらず、地域のつながりを再構築するものだ」とあいさつした。

 

 厚労省は会議で相談支援事業の手引きを提示。支援対象者像の考え方や選別の手順、事業の推進体制などを解説し、相談支援機関の設置・運営の標準化を図る考えだ。

 

 最大の問題は「誰を事業の対象者とするか」という点だ。

 

 モデル事業では生活保護受給者も対象とする。手引きは経済的に困窮した人だけでなく、社会的に孤立した人も含めて幅広く対象者を捉えることを基本とした。一方、地域の実情により優先的・重点的な対象者を定めることも認めた。

 

 この手引きや就労支援など各事業の運営上のガイドラインは、モデル事業の実施状況を反映した上で新法施行までに確定させる方針。そのために、民間のシンクタンクなどが並行して六つの調査研究事業を行う。

 

 新法に位置付ける任意事業の一つ「生活困窮家庭の子どもへの学習支援」の関連では、全市町村と全児童養護施設・母子生活支援施設に対し、学習支援をめぐる連携の状況・効果などのアンケート調査をする。

 

 厚労省は相談支援にあたる人材の養成研修を14年度から始め、新法施行後5年程度で必要な人数を確保したい考えだ。

 

 新法は福祉事務所のある自治体の必須事業として①相談支援事業②住居確保給付金の支給−を規定し、就労支援や家計相談支援など四つの任意事業を設けるもの。これらすべてに国が一定の割合で財政支援する。

 

 モデル事業を行うことは、今年5月の法案提出時から想定していたもので、今年度は30億円を投じて69の自治体(道府県21、指定都市11、中核市7、一般市・区30)で行う。自治体間の取り組みのバラツキをなくし、対象者を包括的に支援できる体制を目指している。

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