車いすは体に合わせて 適合を細部まで徹底

2014年1222 福祉新聞編集部
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手紙を書くという目標のため、シーティングされた車いすを使う女性

  調整機能付き車いすを活用して利用者の自立度を高めている特別養護老人ホームがある。埼玉県所沢市の「アンミッコ」だ。科学的根拠に基づくシーティング(適合)は、標準型車いすで入所した高齢者の約8割が自走できるようになるなど本人・家族が驚く成果を上げている。

 

業界最高レベルを目指して

 

 「前の施設でベッドから車いすに移ろうとして転び、職員から『自分でやるな』と怒られた。それから車いすをこがしてもらえなくなった。ここに来て自分でできるようになり本当にうれしかった」。老人保健施設で「全介助」とされ、アンミッコに来た88歳の女性は自分でできる喜びをそう語った。

 

 アンミッコは社会福祉法人天祐(三浦祐一理事長)が2012年3月に開設した入所定員90人(平均要介護度3・8)、ショート10人のユニット型施設。医業経営コンサルタントとして老人施設の開設などにかかわった三浦理事長がそのノウハウを注いで開所した。

 

 ハード面は、利用者の身体状況に合ったケアの提供と職員の負担軽減を考え、3タイプの浴槽(浴槽が左右に動く可動式個浴、リフト機能付き個浴、機械浴)を設置するなど配慮。ソフト面も誤嚥リスクの高い「刻み食」や見た目の悪い「ミキサー食」は使わず、普通食より少し柔らかい「軟菜食」、口でとけ見た目は普通食と変わらない「ソフト食」を提供するなど業界最高レベルのサービスを目指している。

 

 アンミッコがシーティングに取り組むきっかけは、作業療法士でシーティング・コンサルタントの資格を持つ美谷島直行さんが、採用面接で三浦理事長にシーティングをやりたいと訴えたこと。同じ思いを抱いていた三浦理事長がその場で快諾し、シーティングへの挑戦が始まった。

 

 

➡次ページ 6割が食事を一人で

 

 

 

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