〈第1回〉解熱後の保育園への登園目安は?

2015年0521 福祉新聞編集部
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Dr.田中のほいくほけん室

 

 発熱のため保護者に相談し、降園させることはよくあります。熱が下がっていても治癒ではない場合があるため、解熱後24時間は発熱がないことを確認してからの登園をお願いしています。しかし多くの保護者は、熱が下がったので治った、という感覚が強いようです。

 

 我々ヒトは恒温動物なので、体温は環境温度の変化や活動に対して一定の体温が保たれています。しかし、常に一定ではなく多少の変化がみられます。ですから「うちの子どもの平熱は36・7度です」と言い切るのは必ずしも正確な表現ではありません。体温には日内変動がみられ、朝方は低く、夕方はやや高くなります。一般的に変動幅は0・5~1度以内です。午前中に36・8度でも夕方には37度を大きく超えることはよくみられます。

 

 発熱後に解熱したというのは、熱が続けて24時間下がった状態を言います。したがって、発熱した子どもが登園するためには、元気が良く、1日以上熱がみられなくなる必要があります。

 

 体温は運動、入浴、啼泣、興奮時、食事などでやや高くなります。測定の際は腋の下の汗をよく拭き、安静にして測定する必要があります。

 

 何度からが発熱というのは難しい質問で、年齢や個人により異なります。予防接種では37・5度以上は明らかな発熱と考え、接種しないことになっています。また、乳幼児の体温は調節機能が未熟で外界の影響を受け変化しやすいので、衣服によりこまめに調整する必要があります。

 

 発熱時の対応は、熱の上がり始めでは身体の防御反応により大切な臓器に血液を優先的に多く送るために手足の血管を細くして血液が余り流れないように調整されるため寒気が感じられます。この場合は暖かくして、熱が高くなった時は大きな動脈の流れている頸部、鼠蹊部を冷やすのが有効です。頭だけ冷やすのは十分でありません。

 

 解熱剤の使用ついては、熱性けいれんのある子どもを除いて、熱が出たからすぐに使うのではなく、熱により体力が消耗する場合や苦しい時に頓用で与えるのが小児科医の一般的な考えです。

 

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150518田中哲朗博士

田中哲郎 医学博士
 1946年生まれ。東京医科大学大学院医学研究科博士課程修了(医師・医学博士)。国立保健医療科学院生涯保健部長、長野県立こども病院副院長などを歴任。現職は東京工科大学客員教授、内閣府の保育施設等における事故防止検討会委員を務める。著書「保育園における事故防止と危機管理マニュアル」(日本小児医事出版社)など多数

 

 

 

 

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